## 40歳を前にして気づいた、お金の“整え方”
昔の自分は、お金のことにあまり関心がなく、収入が少ないなかでも、手にしたお金はそのまま使ってしまう毎日を送っていました。気づけば手元には何も残らず、貯金はゼロ。クレジットカードの支払いを終えた時点で、月末にはほとんどお金が残らないような状態が長く続いていました。
「このままではまずい」と思う瞬間は何度かあったものの、「まぁ、なんとかなるだろう」と現実から目をそらしていたのも正直なところです。
美容師という仕事はとにかく忙しく、朝から晩までお客様に集中していると、1日があっという間に終わります。仕事を終えて帰る頃には体力も気力も使い果たしていて、将来のことやお金についてじっくり考える余裕なんてありませんでした。働いた分は、自分へのごほうびやストレス発散として使ってしまい、また翌月も同じサイクルのくり返しでした。
そんな自分に変化が訪れたのは、結婚し、子どもが生まれてからです。家族を持つようになって、「今」だけでなく「これから先」についても本気で考えるようになりました。
子どもが成長する頃、自分はしっかりとした父親でいられるのか。もしものことが起きたとき、家族に何を残せるのか。そんな問いが頭の中に生まれ、「このままではダメだ」とようやく強く思うようになったのです。
40歳が近づくにつれて、ありがたいことに収入は徐々に増えてきました。しかし、収入が増えても使い方が変わらなければ、手元には何も残らないままです。そこでようやく、「稼ぎ方」ではなく「使い方」が大切だということに気づきました。
そんなある日、サロンに来てくださったお客様から教えてもらったのが、田中敦彦さんのYouTube大学でした。その動画を観ていると、それまでどこか退屈に感じていた日々に、パッと光が差したような感覚がありました。お金のことを学ぶことが、まるで“使命”のように感じられて、どんどんのめり込んでいきました。自分がどれだけ何も知らないまま生きてきたのかを痛感しました。
さらに、両学長のリベラルアーツ大学(リベ大)というチャンネルにも出会い、保険、投資、家計管理、人間関係など幅広いテーマに触れるなかで、自分が感じていた「不安の正体」が少しずつ形になっていきました。
最初に取り組んだのは、身近な生活の見直しでした。とりあえずで加入していた保険を精査し、スマホ代やサブスクを整理。夜に意味もなくネットショッピングしてしまう習慣を見直すなど、手の届くところから少しずつ行動を変えていきました。
お金の使い方に目を向けるようになってからは、買い物の仕方や人との関わり方にも変化が出てきました。「これは本当に必要か?」と一度立ち止まって考えるようになり、自分にとって何が大切なのかが、少しずつ見えてくるようになった気がします。
人付き合いにも変化がありました。無理していた関係には少し距離を置き、気持ちが落ち着ける人たちとの時間を大事にするようになりました。そうすることで、家族との時間もより丁寧に過ごせるようになったと感じています。
もちろん、まだまだ分からないことはたくさんありますし、不安がすべてなくなったわけではありません。それでも、「何を知らないのかが分かるようになった」ことで、以前よりもずっと落ち着いてお金のことと向き合えるようになりました。
今の自分は、まだ学びの途中です。お金のプロでも、資産家でもありません。でも、お金の流れを少しずつ意識し始めて、これからの方向が見えてきたこと。それは自分にとって大きな前進です。
あの頃の自分に、今だからこそ伝えたい。「お金は、自由に生きるための道具だよ」と。知らないままでいるのではなく、まずは一歩を踏み出してみること。たとえ小さな行動でも、未来を変える力になる。今もその途中にいる自分が、それを何より実感しています。
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